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アマチュア無線による非常の場合の無線通信

山で事故が起きたとき、無線機は、「最後の命綱」。頼りになります。

1.非常通信とは?
  人の安全・命の危機などが発生して、電話など通じないときに
  無線にて、通信を行うことができます。
  なお、電波法で言う遭難通信とは「船舶・航空機の遭難」を指します。
  (法律上の規定は、3項にて説明します)

2.どのように行うのか?
   自分のコールサインがJK3YBU;楠原として、
   応答局がJR2UTK;大見として、以下に示します。

(1)周波数をメインチャネルに切り替える。
    (メインチャネルは調べておくこと。433.50MHz、433.00MHz,145.00MHzなど)  
(2)呼び出し
  「非常、非常、非常」
  「こちらは、JK3YBU。JK3YBU。JK3YBU。奥穂高岳頂上で、事故発生。」
  「どなたかお聴きの局ありましたら、応答願います」
  −−>ここで受信に切り替え、応答があるかを確認する。無ければ、もう1度繰り返す。
  −−>応答があったら、コールサインと時間をメモする。
(3)通信確立
  「JR2UTK局、こちらはJK3YBUです」
  「応答ありがとうございます。こちらの音声は聞き取れるでしょうか?」
 −−>相手の応答(通信状態の悪さを確認し、簡潔な通報が必要かを判断)
 −−>通信状態がよければ、相手の氏名・住所・電話番号を確認すること
    (ただしこれは、通信の終了するまでに行えばいい)
 注意!この時点で、周波数を変更すること!メインチャネルを占有するのは
    通信の混乱を招く!メインチャネルは呼び出しチャネルであり、
    事情を知らない人が呼び出しを行い、通信がとぎれる事あり。
    また、冬山においては複数の事故の発生の可能性もある。
(4)「事故状況と救助の要請」の伝達
  「JR2UTK局、こちらはJK3YBUです」
  「我々は総勢4名。奥穂高岳を登山中、事故者****が落石をうけ、骨折。
   事故発生時刻は午前**時**分、事故発生場所は、頂上手前100m付近。
   けが人の様子は、足の骨折で自力歩行不能。我々だけでは搬出も不能であり、
   ヘリコプターを要請したいので、警察への通報をお願いする」
  「ヘリの要請は、事故者本人であり、事故者の連絡先は&&&である。
   警察より事故者宅に確認の上、家族の了解でへりの要請をお願いしたい」
 −−>応答局の了解と、警察への連絡の後の、再通信の予定時刻を確認しておく。
 −−>警察要請後、応答局の際呼び出しを受け、その後の定時交信・周波数の
    取り決めをして、交信を終了する。
注意;交信を何度も行う場合、通信の番号;時間を記録しておくこと。
   たとえば、「これが13:25第1報です。」など。
   非常通信を受けた場合も、時間と通信番号をメモしておくこと。

(5)非常通信のその後の処理
  救助された後、落ち着いたときに、「地方電気通信局」に「文書」にて、
  非常通信の内容(時間、通信の相手、非常通信の内容)を報告する。
  応答局に対し、事故者の経過報告・お礼をする

3.アマチュア無線は免許が必要です。
(1)無線局を開局するには、
 a) まずは、国家試験に合格し「無線従事者免許証」を受領してください。
 b) 次に、「アマチュア無線 個人局 開局申請」を出して、「無線局免許状」を受領してください。
   ただし、個人局ではなくクラブ局に登録することでも、電波を出すことはできます。

  なにやら免許・免許とややっこしそうですが、車の免許に例えると、、
    自動車    アマチュア無線
  「運転免許証」=「無線従事者免許証」
  「車検証」  =「無線局免許状」 

  運転免許をとっても、ナンバープレートのない車に乗っていると、法律違反です。
  無線でも、従事者免許と局免許が必要です。

(2)アマチュア無線では、局免許と


4.無線機の操作
 以下は、山に行く前に確認しておきましょう!
(1)周波数のロックの仕方
(2)周波数の変更の仕方
(3)出力電力に切り替えの仕方

5.無線機の選定
(1)電力  1W以上出るものを選ぶこと。出きれば3W以上
       1W未満は仲間内の連絡と認識すべき。
(2)周波数 144MHzは込んでいるが、周波数が低いほ遠くへ飛ぶし、
       電波も回り込む。

最後に注意を!
山で無線を使うと、見通しが良いために、みんなに聞かれています。
(1)くだらない馬鹿な話はしない。山やって迷惑や!なんて思われないように。
   通信を妨害をされたりすると、非常時に困ります。
(2)面倒でもコールサインを名乗りましょう!
   無免許を、組織が許していると思われてしまいます。

山やは礼儀正しいやつや!こんなやつが困ってるなら、助けたろ!と
思われるようにしたいものです。

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